蒼く澄んでどうしようもなく朱い

蒼い。澄み切った蒼。

それでいて朱い。

毎日がとてつもなく

それがリアルで。

闇のように黒い世界をまぶしいように手で遮った。

空から降ってくる一滴の雨粒が

自分にあたる確率なんか考えて

手のひらで弾けたそれに頬を寄せた。

少しだけ歩いてはとまって

空をながめてみたんだけど

やっぱり雨はやまないから還ることにした。

きっと誰もが蒼く澄んで生まれてきたのに

時の経過が換えてしまうんだ

そういえばあいつが言ってた

原色は孤独だと。

 

荷物をおろして窓の外ながめた。

空から降ってくる雨粒は

相も変わらず少しくすんでたけど

中に稀に透明なやつがいた。

にぎった。そいつをにぎった。

指のすきまからこぼれたそいつは

くすまず透明なまま落ちていった。

いや、貫き通して散っていった。

さくら

サクラ。

部屋にさしこんだ日の光が

うすよごれた床を少しだけ輝かせた

明日はれるかな。

のぞんでいるものと

のぞまれてないもの

つかむもの

こぼれおちるもの。

思い出した祖母の背中。

鳴り響く蝉の声

雨と土の香り。

あの日の静寂がとても蒼く澄んでいて

今でも心を朱くする。

今度いこう。久々にみよう。

感じられるのかな。

とてつもなく蒼くて、それでいて朱い。

鼻から吸う匂い。覚えてるかな。

闇のない世界を。